勅使河原三郎「記憶と夢」
 
初っ端から度胆を抜かれる演出でした。忽然と暗闇から眼前に立ち現れた勅使川原三郎は幻想的で亡霊のようでもあり、このあと佐藤利穂子、ダリオ・ミノイアも加わりダンスが展開します。鮮明であると同時に朧気でもある記憶と夢が交錯し、秀逸に計算された光の加減、身体と空間との境界をダヴィンチのスフマートよろしく、ぼんやり浮かび上がらせるかと思うとそれは再びそこはかとない闇へ吸い込まれるのでした。
「ジョセフ・コーネルの箱の中の三島由紀夫の美しい星のページの切りはしをタルホのメガネでのぞいてみた」という誘い文句に惹かれて、これは絶対観なければと荻窪のKARAS Apparatusまで足を運びましたが、期待を最高に上回る内容で贅沢な文化の日を過ごせましたよ♡
2025年11月3日月曜日